第二章〜ハードオフにて〜

 

私には邦パンク好きの友人がいる。その友人はもう結婚してしまって一児の父である。
彼とはよく話をしていたのだがお気に入りになった兄のコンポのことについて話していくうちに彼もオーディオにハマリ、
「今度ハードオフ」に行こうと言われた。そこには兄にもらったコンポのような機器が並んでいた。
この頃には価値観も変わり、安っぽいコンポより昔のオーディオ機器のような重厚なものがかっこいいと思った。
だが、所詮は高校生である。高いものは買えない。ジャンクコーナーが常連である。
「あのmarantzと書いてあるかっこいいゴールドロゴのアンプはどんな音がするのだろうか・・・」
「メーター付のかっこいいアンプだなぁ。」「SANSUIと書いてあるこのアンプは山水のような清らかな音がするのだろうか」
そんな想像を膨らませ日々、ハードオフ通いが続く。
「いつかは大型システムでオーディオを聴くんだ!」そんな目標を持っていた。

そして、気づいたときにはもう高校を卒業して社会人になっていた。

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